星の王子さまのあらすじ・要約・感想!バラ、6つの星、キツネの本当の意味は?

星の王子さまのあらすじ・要約・感想!バラ、6つの星、キツネの本当の意味は?
星の王子さま

『星の王子さま』がおすすめな人

  • 人生の選択に迷っている
  • 人間関係で悩んでる
  • 恋人とケンカしてる
  • 周りに劣等感を抱いてる
  • 人生うまくいってる

『星の王子さま』は人生で大切にするべき視点、本質を見抜く洞察を与えてくれる作品です。

『星の王子さま『で重要な「6つの星」「バラ」「キツネ」の意味するものについて、私なりに考察してみました。

今回は「星の王子さまのあらすじ・要約・感想・まとめ!バラ、6つの星、キツネの本当の意味は?」と題してお伝えしていきます。

『星の王子さま』概要

書名星の王子さま
著者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
刊行年1943年

著者サン テグジュペリは何者?

サンテグジュペリは1900年フランスで生まれました。

20歳のときに2年間の兵役を経て飛行士になります。

また、作家として有名で、『星の王子さま』以外に『夜間飛行』、『人間の土地』、『戦う操縦士』などの作品を残しています。

これらは1900年代の戦争の激化や技術革新が止まらない社会の中で、人間の行動の意味や価値について問いを投げかけている作品です。

『星の王子さま』のあらすじ

星の王子さま 羊の箱
青空文庫

『星の王子さま』のあらすじを解説していきます。

「ぼく」が飛行機の事故でサハラ砂漠に不時着し、突然現れた「王子さま」から

「羊の絵を描いて。」

と頼まれて物語は動く。

主な登場人物は「ぼく」と「王子さま」。

「ぼく」の願いは、子供の心を持ち続けている大人と友達になること。

王子さまは人生で大切なものは何か知りたい。そのために、自分の星を出て旅に出た。

「ぼく」は王子さまから大切な話聞いた。

「6つの星の話」「バラの話」「キツネの話」「人生を幸せにする秘密」

「ぼく」は王子さまと関わっていく中で人生で最も重要なものに気づく。

『星の王子さま』は人生で大切にするべき視点、本質を見抜く洞察を与えてくれる名作だ。

子供だけでなく、むしろ大人が読むべき本かもしれない。

『星の王子さま』の要約

王子さまの話の中で、「6つの星」「バラ」「キツネ」が出てきます。

これら3つが意味するものは何でしょうか?

この章では3つが意味するものについて解説していきます。

6つの星の意味

王子さまの話の中で、王様の星、うぬぼれやの星、大酒飲みの星、ビジネスマンの星、点灯夫の星、地理学者の星が出てきます。

この6つの星が意味するものは何でしょうか?

それは人間が溺れやすいものです。

以下で詳しく解説していきます。

王様の星

星の王子さま 
王様の星
青空文庫

王様の星は「権力」を表していると考えられます。

王様というものは本質的に自分の権威が尊重されること以外望まないものだから、服従しない者を許すことが出来ない。

絶対的支配者なのだ。

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

王子さま:「陛下は何を支配しておられるのですか?」

王様:「すべてだ!」

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

この描写から、権力欲の強い人間は自分の権威が尊重されることが、最大の望みであるとわかります。

権力を欲する理由は、権力があれば人間、物、自然などあらゆるものを支配できると考えているからです。

王子さまは王様の星をすぐに飽きてしまいます。

これは権力に執着しすぎる人間はつまらないので、周りから人がいなくなることを表現しているのだと思います。

うぬぼれやの星

星の王子さま
うぬぼれ屋の星
青空文庫

うぬぼれやの星は「承認欲求」を表していると考えられます。

うぬぼれやにとっては他の人間はみんな彼を褒めたくてたまらないのだ。

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

うぬぼれやには称賛の言葉以外は耳に入らないのだ

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

私ががこの星で一番ハンサムで、一番かっこよくて、一番お金持ちで、一番頭が良いと認めることだね。

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

この描写から、承認欲求の強い人間は称賛されることが最大の望みであることがわかります。

そのため、称賛されるために見栄を張ることをがんばります。

そしてこの星も王子さまはすぐに飽きていまいます。

見栄ばかり気にしている人間も「王様」と同じくつまらないのでしょう。

残念なことに、このあたりは誰も通らないんだけどね

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

この描写からわかるように、見えばかり気にしている人間のまわりに、人は集まりません。

大酒飲みの星

星の王子さま
大酒飲みの星
青空文庫

大酒飲みの星は「行動が矛盾している人間」を表していると考えられます。

王子さま「おまえなにしてるの?」

大酒飲み「呑んでるのさ」

王子さま「なんで呑むの?」

大酒飲み「忘れるためさ」

王子さま「何を忘れるために?」

大酒飲み「恥ずかしいってことを忘れるためさ」

王子さま「何が恥ずかしい?」

大酒飲み「呑むのが恥ずかしいのさ」

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

この王子と大酒飲みの会話を見てどう思いますか?

「酒を飲んでいるのを忘れるために、酒を飲んでいる」

意味わからないですよね。

このように世の中には矛盾した行動をしている人間がいると表現しているのだと考えられます。

ビジネスマンの星

星の王子さま
ビジネスマンの星
青空文庫

ビジネスマンの星は「お金」を表していると考えられます。

王子さま:「星を所有していると何お役に立つ?」

ビジネスマン:「お金持ちになるために役立つわけだ」

王子さま:「お金持ちになると何の役に立つ?」

ビジネスマン:「他の星も買えるわけだ。」

王子さま:「お金持ちになると何の役に立つ?」

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

「あなたの仕事はお金を稼ぐ以外に何の役に立っている?」という問を投げかけをしています。

ビジネスマンは「真面目な仕事=お金を稼ぐ」と定義しています。

王子さまは「真面目な仕事=誰かの役に立つ仕事」と定義しています。

では「役に立つ仕事」とは何でしょうか?

「星=社会、地球」と意味づけると、役に立つ仕事とは社会や地球に貢献している仕事と捉えることが出来ます。

王子さまの言葉

あんたは星にとって何の役にも立っていないよね。

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

そしてこの描写から、お金を稼ぐことが目的になっている人生は誰の役にも立っていないと、王子さまはきっぱり断言しています。

王子さまは「何かに貢献している仕事をしてますか?」と問いかけているのではないかと思います。

点灯夫の星

星の王子さま
点灯夫の星
青空文庫

点灯夫の星は「労働」を表現していると考えられます。

この星では太陽の日没ごとに1人の点灯夫が街灯の点灯と消灯を繰り返しています。

しかし、年々自転が早くなっており、1分ごとに点灯と消灯をしなければいけなくなりました。

ですので、この点灯夫には休憩時間も睡眠時間もありません。

よって点灯夫の星は労働環境が変化しているのにもかかわらず、ルールが変わらず労働者搾取が深刻になっている社会問題を描写していると考えられます。

この世の中には自分の時間を削って労働を強いられている人は多いです。

地理学者の星

星の王子さま
地理学者の星
青空文庫

地理学者の星は「知識」を表していると考えられます。

王子さま:「海はあるのか?」

地理学者:「それは知ることができない」

王子さま:「じゃあ山は?」

地理学者:「それは知ることができない」

王子さま:「それじゃあ都市とか川とか砂漠は?」

地理学者:「それもやはり知ることができない」

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

王子さまはこのように地理学者の星について質問しましたが、地理学者は何も知りませんでした。

地理学者は自分で調べるのではなく、人から聞いた情報を記録しています。

ですので自分で体験をしたことがないのです。

知識だけ持っていて実際に行動したことのない人の情報は、なんの役にも立たないことが表現されているのではないかと考えられます。

バラの意味

星の王子さま
王子さまがバラに水をあげている
青空文庫

王子さまの話で「バラ」がでてきます。

私は「バラ」の意味するものを「大切な人」と結論付けました。

理由を解説していきます。

王子さまはバラに愛を込めて接しましたが、バラはいつも王子さまを困らせます。

そのため王子さまはバラの心を疑うようになりました。

そのため王子さまはバラと離れることに決め、自分の星を出て旅に出ることにしました。

旅に出ていろいろなことを経験すると、バラとの接し方を間違えていたことに王子さまは気づきます。

花の言うことは絶対に聞いちゃいけない。見つめれば良い、匂いを嗅げば良い。俺の花は俺の星をいい匂いでいっぱいにしてくれた。でもそれを楽しむことが出来なかった。虎の爪の話なんかもすごくイライラしたんだけど。優しい気持ちで聞き流してやればよかった。

花の言葉ではなく、彼女の行いで判断するべきだったのに。花は俺をいい匂いで包んでくれたし、明るくしてくれた。

花が仕掛けてくるつまらない作戦の向こうに彼女の優しさを見抜くべきだった。

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

この言葉から大切な人との向き合い方を次のように解釈しました。

「相手に尽くさず、一緒に楽しむ。相手の行動の意味を理解する」

星の王子さま
無数のバラに出会った場面
青空文庫

そして王子さまは旅の最後の星、地球で無数のバラたちに会いました。

バラは王子さまの星にしか存在しない特別な花だと思っていたのに、地球には無数に存在していたことに対してショックを受けました。

それに対してまたもやバラに対して疑念が湧いてきてしまったのです。

ところが王子さまは自分の星にいる1本のバラと、地球にいる無数のバラの違いに気づきます。

君たちのためには誰も死ねないよ。

もちろん俺のバラだってただの通りすがりの人から見れば君たちに似ているだろう。

でもあのバラはたった1本でも君たち全員よりも大切なんだ。

なぜなら俺が水をやったのはあのバラなんだから。俺がガラスの覆いをかぶせてやったのはあのバラなんだから。俺がつい立てで風を避けてやったのはあのバラなんだから。

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

私はこの言葉を以下のように解釈しました。

「大切に過ごした時間積み重なることで、なんでもなかった人が特別な存在になる」

キツネの意味

キツネは「絆」を象徴していると解釈しました。

理由を解説していきます。

キツネは王子さまに「絆」の作り方を教えます。

君はまだ僕にとって他の10万人もの男の子によく似た1人の男の子でしかない。僕は君を必要としていない。君の方だってぼくを必要じゃない。

君が僕を懐かせたなら僕たちはお互いを必要とするようになるんだ。

君はぼくにとって世界でただ一人の君になる

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

キツネは王子さまに、絆を作るとお互いが特別な存在になると教えました。

そしてキツネが王子さまとの別れ際に、いちばん大切なことを伝えました。

大切なことは目に見えない

引用:KADOKAWA『星の王子さま』

この言葉の「大切なこと」とは何でしょうか?

私は「絆を作ったからこそ知れる相手の内面。そして一緒に過ごした時間、思い出。」だと思います。

皆さんは「大切なこと」とは何だと思いますか?

著者サンテグジュペリが伝えたいこととは?

サンテグジュペリは『星の王子さま』を通して、愛と責任の重要性、そして人生の意味と価値について伝えようとしています。

【愛と責任の重要性】

王子さまとバラの関係を通じて、愛とは相手を理解し大切にすること、そしてそのための責任を持つことの大切さが強調されています。

【人生の意味と価値】

王子さまが旅を通じて学んだことは、物質的な価値よりも、人間関係や感情、経験の中にこそ真の価値があるということです。

サンテグジュペリは『星の王子さま』を通じて、現代社会で忘れられがちな愛と責任の重要性、そして人生の意味と価値について訴えかけているのだと思います。

『星の王子さま』の感想

星の王子さま
王子さま
青空文庫

『星の王子さま』を読んで気づいた重要んことが3つあります。

  • お金を稼ぐことが人生の目的になってはいけない
  • 人の役に立つことをしなければいけない
  • 人が人を幸せにする

私はこれまで「お金持ちになりたい」という目標しか持っていませんでしたが、ビジネスマンの星の話を通じて、お金を稼ぐだけでは幸せにはなれないと気づきました。

お金を目的にした人生ではなく、どうやって人の役に立てるかを考えることが重要だと感じました。

また楽しい出来事や嬉しい瞬間も、誰かと分かち合うことで本当の幸せを感じられます。

『星の王子さま』を通じて、人生の目的は自分が幸せになることと、人を幸せにすることにあると感じました。

また、人との出会いを大切にすることが、価値ある人生を過ごすために重要だとわかりました。

『星の王子さま』あらすじ・要約・感想のまとめ

今回は「星の王子さまのあらすじ・要約・感想!バラ、6つの星、キツネの本当の意味は?」と題してお伝えしてきました。

『星の王子さま』は、人生の価値や意味について伝えようとしている作品だと感じました。

人生で大切にするべきものは何か、物事の本質は何か、大切にするべき価値観は何かを考えさせられます。

今回の記事では『星の王子さま』でサンテグジュペリが伝えたかったメッセージをすべて書ききれていません。

まだ『星の王子さま』を読んだことない人は読んだほうが良いと思います。

一度読んだことがある人も何度も読むことで、新たな発見があります。

『星の王子さま』は幸せを運んできてくれる作品です。

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